サポーター(社会人・学生)の活動

広島から16名、東京から7名 計23名が参加

 本年で第5回目を迎えた「次世代を担う高校生のための未来塾」には、3月頃よりホームページを検索し、問い合わせをいただくなど開催前から参加希望が東京事務局に寄せられた。最終的には東京、埼玉、神奈川からは6名。九州からの応募があり東京枠として7名の参加となった。東京からは過去最高の参加数となり、インターネットにおける告知の重要性を再認識するとともに、首都圏における未来塾の認知度が高まりつつあることが伺えた。
 広島枠においては、例年参加いただいている高校から応募枠を上回る参加となった。各校における担当教諭の推進、参加した先輩の変化、感想等により応募率が高まっていることが伺える。今後はより多くの高校からの参加が図れるようPR活動を行っていきたい。
 「次世代を担う高校生のための未来塾」から合計23名が、合同開催となった「近畿未来塾」に参加したことで、総勢69名での開催となった。地域を越えたコミュニケーションが図れるとともに、刺激を与え目標を同じくする仲間を見出せたようだ。
 各地域に特化しての開催は、独自色を出せるが、他との交流を通じ、感じ、学ぶことが多くなることからも、次回からも近畿未来塾との合同開催について検討していきたい。

新型インフルエンザ発生により開塾準備に遅れ

  本年で4回目となった近畿未来塾。本年度は塾生の募集の開始時期に新型インフルエンザの感染が広がり、兵庫県と大阪で休校措置が取られたことにより塾生の応募が一旦止まってしまった。そこで、やむを得ず受付締切日を延長することにしたが、塾生の数が確定しないことで決定できない事項が多く発生し、それにより準備開始が開塾直前に及ぶものも少なくなかった。
 サポーターは、昨年より人数を減らし個々の役割を明確にし、打合せの中で、各業務の担当者から仕事内容を具体的に説明し理解を深めてもらうようにした。
 塾生同様指示を待って行動することにならないよう、運営マニュアルを作成し、各々の役割と、時間の流れに沿って具体的に何をするのかを明確にして仕事の流れをわかりやすくした。このことによりサポーターは自分の仕事を把握し、責任感を持って動いてくれた。

3つの新しいカリキュラムを導入

 今回の未来塾では、4日間を充実させるために新しいカリキュラムをいくつか取り入れた。
 第一に、学習内容を深めるため、講義後にチームで意見交換をする「ディスカッション」の時間を設けた。皆しっかりと意見を持ち、発表できていたようである。塾生からは「同じ年代でも皆違うことを考えていて刺激になった」との感想を多く聞くことができた。サポーターが塾生を理解するのにも役立ったという報告もあった。しかし、講義が予定通りの時間に終わらず、ディスカッションの時間を取れなかった場合もあり、「ディスカッションの時間がもっと欲しかった」との声を多く聞いた。今後は休憩時間を調整し全ての講義後に時間を確保できるようにしたい。

 第二に、国際化が進む社会において必須となる、英語によるコミュニケーションの時間を設け、大阪府教育委員会のご協力のもと、英語補助教員(ALT)を派遣して頂いた。ALTからは「塾生とALTとのふれあいの時間が少なくて残念だった」、「高校の授業と似たようなものであった」との意見が多く、来年もこの「英語」に関するカリキュラムを取入れるのであれば、内容についてもっと考慮したい。       

 第三に、塾生参加型の体験学習を取り入れ、アファメーション制作に「消しゴムはんこ」を用い行った。例年より時間をかけ、想いをこめたアファメーションとなっていることから夢・目標が叶うよう掲げ努力を続けてほしい。しかし、作業後の後片付けができていなかったことから、最後まで責任をもつことを身につけるよう事務局としても指導するとともに、促していかなければならない。カリキュラムにおいては、時間配分や段取りを十分に考慮することを今後の課題としたい。
 昨年は雨で中止になってしまったキャンプファイヤーは今年は開催することができた。レクリエーション担当のサポーター2人が、企画、進行を担当し、大いに盛り上げてくれた。最後の合唱は、塾生の心に思い出として深く残るだろう。

未来塾の趣旨を明解に発信する

 今年の参加塾生は、全体的に大人しい感じで、最初はこちらからの問いかけにもあまり反応が返ってこなかった。しかし、時間が過ぎ、レクリエーションなどで打ち解けていくにつれ、良い雰囲気になっていった。しっかりと挨拶をする塾生も多く、 講義での質問などは積極的に行っていた。しかし、宿泊した部屋のふとんを片付ける、作業後は後片付けなど基本的なマナーに、少し欠けているところが見受けられた。今後こうした基本的なことは指導していく必要があるのではないか。
 また、学校から勧められて参加した塾生の中には、未来塾に参加する意味を当初は理解できていない塾生が多かった。しかし、普段会うことのできない講師の話を聞く事の貴重さや、ディスカッションを通して自分と違う考えを持つ人がいることや、考え方の違いに気がつくことの大切さを最終的には学んだようである。
 どんなに素晴らしい講義内容であっても、教わる側も「学ぼう」とする意思を持ち、前向きな姿勢で講義に臨まなくては効果があがらない。同じように塾生同士の行動やコミュニケーションについても自分から皆の輪の中に入ることが大切である。参加塾生の中には、他人に心を開けず仲間の中に入っていくことのできない子もいた。これからも様々な悩みを抱えた生徒が未来塾に参加してくるだろう。運営の仕方と違い、マニュアル化のできない問題である。

 未来塾は、回数を重ねるごとに、良い所も、改良していくべきところも増えていく。参加者からの声を身近に聞いたり、様子を見たりして、徐々に内容が充実したものになってきているのを感じられるのは、事務局には喜びや励みになると同時に、反省点や改良点を考えるいい機会にもなる。
 まず、運営する側は、近畿未来塾の「普段の高校生活だけでは接する機会があまりない方々と接することの出来る場所で、集団生活を通して他の高校生たちと学び、ふれあい、自分の将来を考えるきっかけとなること」という本来の趣旨を明確に再確認し、塾生に発信しなければならない。
 来年は、NPO法人として新たなスタートを迎える未来塾、本来の趣旨から外れることなく、更に質の高い、充実した内容となるように運営していきたい。

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