次世代を担う高校生のための2005年未来塾

 

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「次世代を担う高校生のための未来塾」開催趣旨について
−リーダー育成は日本の未来を豊かにするために必要不可欠―

 各地域で、それぞれの地域、そして日本や世界を創り上げる人財を育成していくという雰囲気を全国的に広めていければと思う。今後、各地域での協力をさらに強いものにするためにも、「地域で人財を育てる」という意識を高めていく必要があるのではないか。その地域出身の企業家などが、リーダーシップをとって地域を盛り上げていきたい。 (本城愼之介)

 人生を自分が作り上げ生きていく上で本当に大切なことは、「学校教育では学べないことが学べる」場の提供である。次世代を担う若者にとって未来塾がそのような場として必要であることが今回参加して実感した。(山本志都)

 「明確な目標、使命感を持つリーダーを育てること、国際感覚と日本人としての歴史感、論理感を持つ人材を育てる」ことは、日本の未来を豊かにするために、いま最も必要なことである。豊かな時代だからこそ、これに甘えることなく、人としての美しさを取り戻すこと、奉仕と努力、忍耐、そして自信と勇気を持ってもらいたい。(松坂敬太郎)

 たった数日という短期間にぐんぐん成長し、目の輝きを増していった生徒たちを見て、教育がいかに大切であるか再認識した。私自身、生徒たちの様子に励まされたほどであった。日本の未来を担う、そして担える人材は豊富にあるということを確信した。その鍵を握るのは教育にある。子どもたちの心は昔の高潔な精神を持ち、日本を背負っていった昔の若者と変わらず、純粋で「いいもの」「本物」を見通す力を持っていることを知りこの塾の意義を感じた。(下垣真希)

 「異質なものに触れる」という経験は生徒に大きなインパクトを与える。広島近隣に留まらず、今後対象エリアが拡大することを期待したい。未来のリーダーの育成には、外国の文化・習慣を理解するということは必須となる。将来は留学生も積極的に塾生として受け入れられ、日本の生徒が異文化に触れる機会を構築してはどうか。(ジュニア・アチーブメント)

未来のハンドルを自分で握ることを自覚させること、それができるということを意識させることの重要性を訴えることに未来塾の意義がある。(TPI JAPAN)

 

【事務局所見】

 今回の講師の皆様には、未来塾の趣旨に真にご賛同いただき、多忙なスケジュールにもかかわらず、志ある塾生のために一肌脱ごうと遠方までご足労いただきました。更に講演を通じて、次世代のリーダーを養成する必要性や、リーダーの資質・要素とは何であるかなど、わかりやすく、そして情熱を持って伝えていただけたことで成果を得ると共に、事務局としても「学校教育とは異なる私塾の重要性」について再確認できました。このように講師の皆様のご賛同とご協力を得ることができた今、広島を皮切りに未来塾を全国各地域へと伝播させる必要性を実感しつつ、その高い効果に期待したいと思います。

 

 

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講演・プログラムを終えての感想 −塾生について
− 参加意識の高さが講師にも伝わったー

 講演中の塾生の聞く姿勢は非常によいものだった。講義終了後も、声をかけてきたり、質問をするなど、積極的にコミュニケーションをしようとしていた。何名かの塾生からは、未来塾終了後にメールで連絡があった。(本城)

 さすが自ら参加した生徒であると思った。自分自身をしっかり見つめていて、講師の話しをひとつでも自分のものにしようとする気持ちが伝わってきて、前向きな参加者に未来の希望を感じた。講演が終わったあとも一人ひとりが自分の感想を持ち、私にぶつけた人も多く、心強く思えた。(松坂)

 

【事務局所見】

 上記コメントの他にも、「参加した塾生の意識が非常に高く、取り組む姿勢が素晴らしかった。」「活発な質疑応答と質問の適格性は高い。意識・教育レベルの高い生徒が揃っていた。」と講師陣からの塾生評価は非常に高いものでした。こうした評価からも、今回の未来塾では、自ら何かを得ようと積極的に参加した塾生が多かったことがうかがえ、その塾生の姿勢が講師の皆さんのエネルギーとなり、聞く側も話す側も高いモチベーションを維持できたものと考えます。「第1回目の講師をさせていただき、とても光栄に思う。」との講師のコメントも、意識の高い塾生に対する感謝のあらわれであると思います。

 一方で、基本的な集団での生活習慣ができていない点も見受けられた。たとえば、一日目の夕食時に、使い終わった食器を各テーブルでまとめていたところはほとんど見られなかった。細かな点であるが、そういったところも大人側が指導していく必要はあると思う。(本城)
との指摘もありました。 このことは、昨年実施された全国版「日本の次世代リーダー養成塾」の報告にあった「生活面でとても幼稚な点が目立った」との指摘との類似点で、「教育とは何か」ということを考えさせられる一面ととらえています。未来塾は「リーダー養成」を掲げる私塾ではありますが、その前に「人として生活する上での基本的な姿勢」を教え、気づかせることも、我々の重要な役割だと再認識しました。そういう意味で、社会人・大学生サポーター・事務局など、全員がこの役割を担っていることを十分に意識して行動できれば、よりよい成果を得られるものと考えます。

 

 

 回の未来塾に参加し、講師自身も得たものは多かったようである

 実業界で活躍されている方の話をうかがいながら、コミュニケーション学はどんなことを高校生に伝えればいいのか考えさせられた。コミュニケーション学が貢献できるのは、「自分を大切にして、他者についても同様にかけがえのない存在であることを認められるようになる」ことや、「互いに影響を与えたり受け取ったりする対話の力を身につける」ことを狙いに、精神論では無く実際使えるよう「理論と実践」を伝えることであり、それが若者の自己実現につながるのではないかと考える。一握りの人だけでなく誰にも成長の可能性があるのだから、扉をオープンにする後押しをするのがコミュニケーション学の役割かと思った。(山本志都)

 高校生にとって、非常に刺激のある4日間であったが、講義を担当する講師の方々にも、得るものがあったことが伺えます。多くの講師の方は高校生と接する機会は少なく、講義を担当されたことで、刺激を受け、よりご自身 の専門分野について研究を深められるきっかけとなったことは、今後の開催において積極的にご協力いただけることとなると共に、講師・塾生の双方が刺激されることでより充実した内容の講義へと発展するものと思われます。

 

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プログラムについて
−プログラムの構成バランスは良かった。全体的に講義一コマが短く、もう少し時間がほしかったー

  プログラムの合間にディスカッションタイムがあるので、そこで他の人に話すことで自分の考えを整理したり、 他の人の考えかたも聞けるので良かった。(山本志都)

 講演と体験学習の適度のミックスがよい。バラエティ・変化に富んだ講師陣や、開催期間、講義とグループワークの配分など、非常にバランスがとれていた。 (松坂・TPI・下垣) 

  スタートから2時間半終えて、好感触だった。もう少し時間があれば、グループディスカッションをさせて、自分の抱えている課題や夢などについて深く話をさせても面白いと感じた。振り返り(グループでの話し合い)の時間をもっととりたい。(アクション・ラーニング)

  MESEの講義では、もう少し時間があればより深い議論・接戦が期待できた。(ジュニア・アチーブメント)

 参加する高校生にとっては講義と講義の流れが重要だと思う。アラカルトではなく、一貫したメッセージを出すことが大切ではないか。(本城)

 充実した内容なので、高校生が認知疲労を起こしてしまい、また緊張の連続でもあることから、悪気は無くとも生あくびが出るような高校生がいたのではなか。休憩したからといってすぐに無くなるような種類の疲労ではないが、午後に休憩の時間があれば少しリフレッシュが可能となる。(山本)

 

【事務局所見】

 当初から「何を学べたかが実感できるカリキュラム構成」を目指す中で、「意志」「複眼的思考」「コミュニケーション」を3つの柱(コンセプト)に据えました。そして「自分探しの意味を知る」ことをゴールに設定することで、4日間という短い時間では答えが出なくとも、未来塾がそれぞれの人生の中で答えを見つける「キッカケ作り」になればよいと考えていました。

 今回は、座学・体験型プログラム・ディスカッションを組み合わせましたが、コンセプトの設定がカリキュラム全体に一本筋を通すことにつながったと考えています。また、講師の皆さんに、未来塾のコンセプトをご理解の上で講義に臨んでいただけたこととが相俟って、想定以上の成果を持って塾生をゴールに導けたものと思っています。

 なお、講義2日目には3名(男性2名、女性1名)の体調不良者(貧血に似た症状)がでましたが、初日の緊張感とやや過密なスケジュールが原因かと思われます。幸い3名とも数時間休憩したことで、後半の講義には問題なく参加していましたが、十分な水分補給・体育館の温度調整に加え、サポーター・アシスタントが各塾生の体調の変化を注意深く観察したことにより、塾後半の体調不良者は発生しませんでした。 事務局としては短期間で多くのことを学んでもらいたいとの思いが強かったため、過密スケジュールになったことは否めませんが、塾のクォリティは維持しつつ、上記事実・塾生アンケート等も踏まえて開催期間・スケジュールの再考を行っていきたいと考えています。

 

  

 

 

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