次世代を担う高校生のための2005年未来塾

 

 塾生の理解を促し、目標到達へのナビゲートを行うサポーター・アシスタントとして本年度は22名(社会人8名・大学生10名、留学生4名)*1のご協力をいただきました。4日間の中で最も塾生に接し、日々の成長を見届けたサポーター・アシスタントの皆さんからもカリキュラムに関しての高い評価とコメントをいただきました。

 

(1)
プログラムについてー座学と体験型をバランスよく組み込んでいくことが必要

 アンケートでは塾生と同様に印象に残ったプログラムを3つ挙げてもらいましたが、人気の高かったものは、得票数13件の本城愼之介先生、10件の下垣真希先生、次いでMESEの8件となっています。

 本城愼之介先生の講義は、塾生のアンケート結果と同様に、「正解より回答」「思考より試行」「成功より成長」など、今からすぐにでも実行できるキーワードがかなり印象に残っていたようでした。 MESEについては、大学生はプログラムをアシストする立場であったにも関わらず高い評価を得ています。「塾生が一番活き活きしていた」という客観的評価や、「自分も参加したかった。残念。」との声も多く聞かれており、次回は是非大学生チームも加えていければ良いかと思われます。

 更に留学生アシスタントもそれぞれにプログラムを良く理解しており、特にチームビルディングなどの手法は非常に好評でした。

 

 下垣真希先生、大竹美喜塾長、松坂敬太郎先生のプログラムに対しては、より社会に近い人間として、塾生とは異なった捉え方をしているようでした。例えば下垣先生の感想は「忘れていた日本の心を再度気づかせてくれた機会でした」「うちのグループの子が手を挙げ泣きながら質問したことにとても感動した」、大竹塾長の感想では「人生の分岐点での決断が大変参考になった」「最初の講義として、未来塾の本質を語ってくれていた」、そして松坂先生の感想では「仕事には人の役に立つという目的が明確にあればやる気になれることが理解できた」「製品開発はものまねでなく、良いものを取り入れていくこと、それは精神面でもいえると思った」など、塾生とは少し違った視点での評価が得られました。

 三木谷浩史先生の講義は、社会人・大学生にとってもまたとない機会となりました。「塾生と双方向で対話する講義が親しみを持てた」と、印象深いお話でした。けれども、お忙しい中でいただいた、限られた時間だけに、「もう少しお話を聞きたかった」という声も少なくはありませんでした。

 また、座学が続いた2日目などは、塾生の集中力が途切れはしないかという懸念もあったようで、サポーターそれぞれが、担当グループの塾生の様子を注意深く見守っていました。集中力を継続させていくためにも座学とワークをバランスよく組み込んでいくことも必要と思われます。

 

(2)
担当についてー役割を理解し、塾生の主体性を尊重したサポートができた
 今回は、社会人サポーターは東京・広島から会社員、大学教員、団体職員、税理士が、そして大学生・留学生アシスタントは、広島大学、県立広島大学、市立広島大学、広島修道大学、広島経済大学、近畿大学工学部からと、幅広くご協力をいただきました。みなさんそれぞれに海外での生活を経験されていたり、所属する機関でリーダーシップをとられてきたなどの多様な経歴を持ち、塾生たちのよき相談相手として活躍していただきました。社会人サポーターの菊池孝太郎さんから、ファシリテーターの役割について事前レクチャーを受けたことに加え、11〜12人で構成されたチームを社会人サポーターと学生・留学生アシスタント2〜3人で担当したことで、塾生の主体性を尊重したきめ細かいサポートができていたようでした。また、スタッフ全員から「次回も参加したい」との意欲的な回答をいただいております。但し時間の制約もあったことから、「もっと塾生と話をする時間がほしかった」という意見も多くありました。

 

(3)
開催時期について ー8月上旬を希望
 未来塾の開催時期については、高校生は夏休み期間であるため比較的問題はないようでしたが、サポーター・アシスタントの皆さんからは、第1希望として「8月上旬」が最多得票となりました。これは、大学の試験期間が7月であること、また、8月中旬は社会人・学生ともに帰省時期に重なるためだと思われます。 塾生アンケートからは、8月下旬の希望が多かったことを鑑み、開催時期について次回以降の検討要素の一つとなる。

 

(4)
塾の開催期間  −1週間程度が適切
 塾生アンケートよりも若干多かったのが「1週間くらい」との希望でした。これは、前述の「塾生と話をする時間がほしかった」との意見が反映されている結果と思われます。期間の長期化は、事務局側の負担増大にもつながるわけですが、塾生及びサポーター・アシスタント同士の交流などの時間的な余裕が欲しいとの意見も考慮すると、一考に価すると思われます。但し、交流の時間不足に関しては、開催期間、日程の問題に加え、本年度は塾生受け入れ人数の関係で、サポーター、アシスタントが別の施設での宿泊となってしまったことが最大の要因とも考えられます。

 

(5)
その他の意見・感想 ―今後の仕事や人生を見直すきっかけになった

 務局の意見では、全般的に高い評価を得ています。カリキュラムに関しては、「時間的ゆとりを」「もう少し座学を少なめにしてはどうか」「高校生同士で話し合う場をもう少し多く」という意見が多々ありました。参加費関連の意見では、「参加費をもう少し高めにしてTシャツは全員に配布してはどうか」という意見が。またPR方法は「マスコミと連携してもっと広く広報を」「高校への呼びかけを更に広げる」との発展的な意見が出されています。

 来塾全体については、具体的に、「役割の分担の明確化」「タイムスケジュールの掲示による時間管理の徹底」などの建設的な意見もいただけており、今後の準備・運営に際し、非常に参考になりました。

 全体の感想を傾向としてとらえてみると、1つに「事務局の方々がしっかりした体制を築かれていた」という事務局への高い評価。そして、第2に、塾生たちとの心のつながりが生まれたことへの感想は、どのサポーター・アシスタントにも共通するもので「塾生たちが可愛くて仕方がない」という感動の声に表れていました。第3には、「講師の先生方のお話が何よりも自分自身に響いた」というように、サポーター・アシスタント自身にとっても、今後の仕事や人生を見直すきっかけになったこと、そして最後にサポーター・アシスタント同士が同じ目的に向けて力を合わせていくことで、普段接点のない方々との深い交流が生まれ、「一期一会のすばらしい機会を得た」「大竹塾長、三宅事務局長に心から感謝しています」という、共通する感想が出ております。サポーター・アシスタントにとっても貴重な経験ができた未来塾でした。

 

【事務局所見】

 22名の社会人・学生・留学生のサポーター・アシスタントの皆さん全員から、「次回も必ず参加したい」更には「10年後は講師に挑戦してみたい(留学生)」、と心強いコメントをいただきました。こうした感想は、今後の未来塾の成否を占う意味でも重要で、地元に密着し、継続して開催されるための原動力になるものと考えています。今回ご協力いただいた皆さんの経験を、是非とも今後につなげていただきたいと切に願っております。また、事務局ではサポーター・アシスタントの皆さんからいただいた、貴重な意見を次回へ反映していきたいと思います。

 

*1 社会人・学生・留学生のサポーター・アシスタント内訳
■学生アシスタント

広島経済大学............................1
近畿大学
............................1
広島県立大学............................1
広島大学............................2
広島修道大学............................3
小計 8(人)

 

■留学生アシスタント

広島市立大学大学院.................... 1 (国籍:オランダ1)
広島大学大学院....... 3 (国籍:中国2、インドネシア1)
小計 4(人)

■企業サポーター
税理士・みらい経営マネジメント.......... 1
マツダ(株)マツダ病院.......................... 1
広島ガス(株)...........................................1
資生堂販売(株)広島支社................... 1
しょうばら産学官連携推進機構.......... 1
アフラック .................................................1
広島修道大学助教授............................ 2
小計 8(人)

 

 

 

  

 

 

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